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    面白の花の都や 筆に書く2009-10-25 12:06:02

    My 遊’s paper (新聞を遊ぼう) 「「行きつけの店」 山口 瞳

    「行きつけの店」(山口瞳著 新潮文庫)に取り上げられている店を、読者がランキングする企画が、先日の朝日新聞に載った。

    「行きつけの店」を読むのは2回目。ミシュランや、地元の人が紹介する京都のグルメ本が続けて出版されている中で、「行きつけの店」は趣が異なる。当たり前か。味や盛り付けだけでなく、そこで働く人たちの姿が描かれる。そして、その場にいる著者や仲間の温かさや思いやり、気配りが滲んでいるのに気づく。読者は、著者と同じ体験をしているような思いに浸ることになる。星がいくつつこうが関係ない。その人にとって行きつけの店が一番なのだと気付く。

    「下北沢 小笹寿しの焙った穴子」では、著者のお父様が亡くなられたとき、通夜の料理をこの店に引き受けてもらう話が紹介されている。この話に泣けた。山口氏が「便所で泣いた」姿が目に浮かんだ。小笹寿しだけではないけれど、こんな店を一軒でも持ちたいと思う。そんな店で呑みたいと思う。

    巻末の店の一覧の中に、【閉店】の文字を見て、また、泣けた。そこで働いていた人たちが、消えてしまったように感じた。そしてもちろん、この文章を書いた山口瞳さんももう、亡くなっていることが悲しかった。

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