北西の強風に、かなり強い雨の荒れた一日だった。
昨日収穫しておいた王秋の選果・箱詰めをした。
合間に今、読み続けている加藤廣著「謎手本忠臣蔵上・下
」を読み終えた。
何故、浅野内匠頭が刃傷事件を起したかのか?
数多くの書物、芝居、映画などでそれらしく語られているが、
核心の部分は未だかって謎のままである。
その謎の解明に取り組んだ物語が本書である。
将軍綱吉と柳沢吉保に朝廷が絡んだ大きな謎。
この陰にある大きな秘密がこの刃傷事件によって表沙汰に
なっては困る。そこで吉保は手を打つのである。
この赤穂事件を、浅野と吉良の間の、ごく詰まらない「私事の
いざこざ」にとどめる。
この国の町衆や農民たちに幕府の襖の内や、朝廷の御紋の
御簾(ミス)の内を絶対にみせてはならない。 事件はすべて
町衆好みの地下話にしなければならない。 これが吉保の不
退転の決意であった。と
町衆好みの物語や芝居に、吉良を悪役に仕立て上げ、主君
への忠、親への孝、妻子への愛、盟友への義。これを守る為の
浪人たちの艱難辛苦を誇張して表現させるために、作家とか
一枚摺りの版元などへの陰の働きかけを指令する。
それが現代の忠臣蔵の本流になっている。
今の時代にも通用する輿論操作の先鞭である。
著者は(あとがき)で、「謎手本忠臣蔵」という題名は、「仮名手
本忠臣蔵」の語呂合わせと、「謎のお手本」という二つの意味を
兼ねていると仰っている。