ブログの旬をキャッチ!livedoor ブログ検索

  • ウェブ検索
  • ブログ検索
  • 登録サイト
  • 画像検索
  • 動画検索β
  • 商品検索
  • 地図
  • ニュース検索
    Ads by Google

    ラストテスタメント クラシック-デフォルメ演奏の探求2009-11-15 08:09:27

    自由に生き、自由に死ぬ9日前

    $ラストテスタメント クラシック-デフォルメ演奏の探求-カルメン

    オペラの自選で10本を選んでご紹介しようと記事を書いているところです。オペラはオーケストラ、歌手、舞台、コーラスととにかく大所帯でお金がかかります。そのため、公演にはある程度のリスクが伴います。公演のチケット代だけではその穴は回収できません。日本においては文化的に重要だから赤字であっても招聘しよう、そのために資金を出しましょうということにはなかなかなりません。そのため、長い歴史の中レパートリーは練られていきました。だいたいその数100前後。うちベスト30ぐらいに集中します。自選は個人的なもの。そして1作曲家1作品という原則にしました。しかし「カルメン」は間違いなく選に入るでしょう。
     デアゴスティーニのオペラDVDが話題を呼んでいます。その第1作がクライバーの「カルメン」でした。おそらく「アイーダ」と並んでもっとも多く世界中で上演されているものだと思います。もちろんこのクライバーの「カルメン」の映像もたいへん優れたものですが、今も心を捉えるのはマゼールのオペラ映画やLDで所有しているこのロイヤル・オペラの公演。今回は後者を採り上げます。指揮はメータでカルメンはユーイング、ドン・ホセはルイス・リマです。
     『オペラを知っていますか』の中で増井敬二氏が指摘していますが、第1幕で女工が登場するシーン。これはタバコ工場、昼休みの始まりではなく、終わりの合図。女工が自宅からタバコ工場に戻るところであります。ここではじめてカルメンとホセが偶然(運命に導かれて)会うという演出であること。昼休みのはじまりとする演出はそもそもの間違いなのです。またデル・モナコのドン・ホセのエピソードを紹介していました。「花の歌」でデル・モナコは牢屋で2ヶ月持っていた花を出さないのですが、大歌手であるため誰も間違いであると指摘できずにいました。真相はモナコの持っていたイタリア語版が2ヶ月ではなく、2日間と誤訳されていたいたのです。モナコは花を2ヶ月も持っているはずはないと勘違いしていたのでした(実際は2ヶ月の間、牢獄の中で花を持っていたのです)。大歌手の時代、ある意味デル・モナコの凄さを伝えています。クライバーの映像はホセをドミンゴが歌っています。デル・モナコもそうですがホセのドミンゴも立派すぎる。日本公演でユーイングが歌ったおり、相手役はカレーラスでした。デル・モナコでもドミンゴでもない、ホセ像。ロイヤル・オペラ盤ではルイス・リマがかなり男くさい役づくり。デル・モナコはシッパース盤、カレーラスはカラヤンの新盤やレヴァインの映像で見ることができます。
     ユーイングのカルメン(失礼ながら面立ちが岸田今日子さんと似ていませんか?)、妖しい感じなのです。しかし、この映像がとても好ましいのは、ありのままを淡々と描き音楽に語らしている点です。演出はスペインの女流ヌーリア・エスペルト。運命に導かれながら「愛してくれないのか?」という問いかけにカルメンの「自由に生き、自由に死ぬのよ」と悄然として死を受け入れる姿が「ドン・ジョヴァンニ」の「悔い改めよ」に対し「ノー」と言い続け矜持を保った姿とだぶって見えてきます。ギリシア悲劇のような格調。死よりも己の感情に従おうというのです。
     当初、ワグネリアンだったニーチェがワーグナーと袂を分かったとき、新しいオペラのあり方を「カルメン」の地中海的な煌めきの中に見つけました。実はワーグナーが褒めた音楽家で今日、消え去った人も多いのですが、「カルメン」がまだ大きくクローズアップされる前からこの作品の真価を見抜いていたことは評価すべきでしょう。なんと「カルメン」は初演から評価を得るまでに時間がかかったのです。その批判の対象は今日は考えにくいことですが「メロディがない」というものでした。そして、作曲者の死後も様々な版がつくられました。台詞の部分に曲をつけたもの、をギローが引き継ぎ、「ウィーン版」、レチタティーヴォ付きの「グランド・オペラ版」、オリジナルの「オペラ・コミック版」など。
     カルメンは舞台上で死に、また生まれ変わってこの劇中に生き続けます。彼女が矜持を保った人物というこの演出。ユーイングの歌唱で。ドン・ホセもその中では単なるストーカー殺人、嫉妬に狂った男ではなく、運命でカルメンを死に導く男として登場するのです。その実存の重さ。

    クリックよろしくお願いします 星       
            ↓
        

      Ads by Google
      2ch Watch!
      livedoor サービス:

      Copyright © 1996-2009 livedoor Co.,Ltd. All rights reserved.