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    日々の気持ちを短歌に2009-11-04 05:35:29

    現代教科書の短歌 (斉藤茂吉)

    '''現代教科書の短歌 (斉藤茂吉)'''      '''後藤瑞義'''

    (平成14年12月号歌誌「賀茂短歌」より)

     雑誌「短歌研究」の調べによると、小学校から高校までの教科書に採用されている短歌の数が一番多い

    のは、斉藤茂吉つぎに多いのが寺山修司とのことであった。

     寺山修司の採用された歌は前号までで全て掲載した。ここで斎藤茂吉の歌も載せなければ片手落ちとな

    るでしょう。教科書短歌は、よい歌かどうかは別としまして、われわれにもよい勉強となると思います。

    '''小学校の教科書(斎藤茂吉)'''

    みちのくの母のいのちを一目見ん一目見んとぞただにいそげる                   

    '''中学校の教科書(斎藤茂吉)'''

    のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にゐて足乳根の母は死にたまふなり

    死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる

    最上川逆白波のたつまでにふぶくゆふべとなりにけるかも

    '''高校の教科書(斎藤茂吉)'''

    あかあかと一本の道とほりたりたまきはる我が命なりけり

    星のゐる夜ぞらのもとに赤々とははそはの母は燃えゆきにけり

    我が母よ死にたまひゆく我が母よ我を生まし乳足らひし母よ

    灰のなかに母をひろへり朝日子ののぼるがなかに母をひろへり

    ひとり来て蚕のへやに立ちたれば我が寂しさは極まりにけり

    母が目をしまし離れ来て目守りたりあな悲しもよ蚕のねむり

    桑の香の青くただよふ朝明に堪へがたければ母呼びにけり

    はるばると薬をもちて来しわれを目守りたまへりわれは子なれば

    吾妻やまに雪かがやけばみちのくの我が母の国に汽車入りにけり
                          
    沈黙のわれに見よとぞ百房の黒き葡萄に雨ふりそそぐ

    かがやけるひとすぢの道遥けくてかうかうと風は吹きゆきにけり

    寄り添へる吾を目守りて言ひたまふ何かいひたまふわれは子なれば

    どくだみも薊の花も焼けゐたり人葬所の天明けぬれば

    わが母を焼かねばならぬ火を持てり天つ空には見るものもなし

    酸の湯に身はすつほりと浸りゐて空にかがやく光を見たり

    草づたふ朝の蛍よみじかかるわれのいのちを死なしむなゆめ

    この心葬り果てんと秀の光る錐を畳に刺しにけるかも

    水すまし流にむかひさかのぼる汝がいきほひよ微かなれども

                    次号へ続く   
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