前回「日本に向っている」と書きましたが・・・今回は成田からニューヨークに戻る機内でこれを書いています。
♪日曜日に飛行機乗って、月曜日に成田に着いて♪
♪土曜日にゃ成田を出たよ、テュリャテュリャテュリャテュリャリャ・・・♪
比較的短い帰国でしたが、今回はなかなかない機会を戴いての帰国でした。ワタクシは以前、オレゴン州ポートランドに住み、そのときの暮らしを『樹のあるところに、住みたくなったから。』という本に上梓したのですが・・・

ポートランドは札幌と姉妹都市で、今年はその50周年にあたります。そのための祝典に、ポートランドに住んだことのあるワタクシおよび、札幌はじめ北海道になにかと縁の深い父シーナマコトをお招き頂きまして、父娘トークというものをして参りました。

札幌市民ホール楽屋にて。

おい、なんだ、やめろーと言いながら力なく写真を撮られてしまう葉父。
わたしは人前で講演などはじめてなので秘かにマイクを握る手が汗ばみ、うっ滑って落としたらマズイなどとひとりでドキドキしていたのですが、これまで幾多の講演をしてきたトウチャンのリードでなんとかマイクを落とすこともなく札幌の皆様にポートランドの魅力を伝え、またポートランドからの訪問団には札幌、また北海道の良さを伝え、地球をいろいろ旅して来た父の話なども聞くことができました。もしかしたら後にも先にもない希有な機会をくださった札幌市のみなさまには感謝の気持ちでいっぱいです。札幌っていい街だなあ。空は広いし、食べものも美味しいし。
成田から直行して夜、札幌に入り、翌日の講演とレセプションを経て午後には東京に向うという駆足の旅でしたが、なかなか帰国しても東京以外の土地に行く機会がないワタクシには非常に刺激になりました。もっともっと日本のいろんな土地に行きたいなあ・・・
さて、東京では3日間の休暇です。

近所のお米やさんで出逢ったハンサムくん(←確証はないけど男の子のような気がする)。眩しい陽射しにもかかわらず、じっとポーズを取ってくれました。
前回ご紹介したワタクシ本の文庫版を作ってくださった編集の方にご挨拶したり、昔からお世話になっている編集者とランチしたり・・・近年ワタクシはほとんど文章を書く場が減ってしまい、モノカキを名乗っていていいのか? という自分ツッコミもあるワタクシですが、仕事を越えプライベートでつきあっていただけるのはありがたき幸せにござります。
以前カフェグローブで連載していた「葉的紐育御気楽生活術」(→のちにこれをまとめ、改筆して青春出版社刊『ニューヨークで見つけた気持ちのいい生活』に上梓)を担当してくださった中山圭子さんと、空色庵でもおなじみの松本典子さんともそんなおつきあい。今回は「日本の中華料理店の餃子が食べたい!」とわめくワタクシの希望をよしよしと聞き入れてくださり、餃子+生ビールの会が実現しました。

分厚くて箸で切れるほど柔らかいチャーシューも素敵。生ビールも泡がしっかり細かくクリーミーで、うううたまりません。

「餃子2枚お願いしますっ」
“○枚”っていう数え方が粋でいいね。ここんちの餃子は野菜がたっぷりで皮カリカリ。海を越えて食べに来た甲斐がありましたよ〜。

一見「ふつう」の中華料理店。しかし底ヂカラみなぎる昇龍
やはり日本は、美味し国ですね。繊細さや深さの基本的水準が高いとつくづく思います。そして今回はそんな日本の美味し伝統を堪能させてくれるお店に出逢ってしまったのです。
長いものには巻かれろと言いますが、ワタクシは巻かれるならやはり蕎麦! と提唱してやまない蕎麦好き。帰国時には銀座の「よし田」、同じく銀座七丁目の「松玄 凛」、新宿西口の隠れた老舗「渡邉」などに通うのですが、今回は友人が恵比寿に小さな宝石のような名店を見つけてくれまして・・・・

恵比寿駅東口を出て徒歩数分。

細い路地を入っていくと・・・「慈玄」があります。

店内は大きなテーブルカウンターと、あとはテーブル席が数卓。

まずはさっぱりめの梅酒ロックで、お品書きをじっくり読む。ううう至福の時だなあ。
ワタクシには年月日まで誕生日がまったく同じの、“気分はすっかり双子のきょうだい”な友人がおりまして、帰国のたびに「蕎麦屋で一杯」につきあってくれます。このお店を見つけてくれたのもこの友人、通称「王子」。王子さまありがと〜う。

お通しはひじきの白和え。上品な味です。まずは水茄子の漬け物と・・・

歯ごたえもちもち、ほのかな秋の風味がなんともいえない揚げ銀杏。

お蕎麦屋さんで呑むときは必ず注文する卵焼き。きちんと味のついた東京風でした。
お酒は蕎麦焼酎のロックに切り替え、話も弾む弾む♪ 写真には撮りませんでしたが、珍しい蕎麦の若菜とじゃこをあわせたサラダも食べましたよ。しゃきしゃきと貝割れのような食感が爽やかでおいしい。うれしかったのは、鴨つくねがあったこと! 添えた焼き葱も甘辛で大変よろしい。
2杯目の蕎麦焼酎は蕎麦湯割にしました。ここは天国ではないだろうか・・・

肴をもうひとつ、ということで「穴子の骨揚げ」。普通のアメリカ人が見たら「オーマイガ、コレハ一体ナンデスカ?」と少々おののくかもしれませんね。しかしこのパリパリがたまらんのじゃ。アジアのヒトに生まれてよかった。
〆のお蕎麦は「辛味納豆そば」にしました。

コーフンのあまり食べ途中の写真になってしまってスミマセン・・・辛味大根や叩き納豆、削り節に卵黄がのっかって、まぜまぜする前はとっても綺麗なのよ。お蕎麦は細め、上等な蕎麦粉の香りがして、おつゆの味も辛すぎず、甘すぎず。

食べながら「なぜここに木刀が?」とオボロゲに疑問を抱いていたのですが、これは蕎麦を打つためののし棒でした。
ここんちには「鴨つくねせいろ」もあるんですよ! 今回はお腹がいっぱいになってしまってもう少し軽めのお蕎麦を選びましたが、全国つくね愛好会会員番号37652番のワタクシ、帰国するときは絶対に食べるぞ、と拳を握り誓っております。
今年は何度か帰国しているけれど、これほど自由時間の多い帰国ははじめてかも。成田を発つとき、いつも仄かな感傷に襲われてしまうのですが、離れているからこそこんな数日が一層ありがたく思えるのかな。こんな機会をくださった札幌市と「旅の神様」に感謝!!