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    昭和初期の映画主題歌あれこれ2009-11-13 09:22:03

    昭和28年(その21)

    1. マーキュリー篇

    戦後の映画主題歌シリーズは、今回で昭和28年の最後回をむかえた。
    まずコロムビアから始まって、ビクター、キング、テイチク、タイヘイと続けてきたが、ポリドールは普通の流行歌も映画主題歌もこの年はなかったので、最後はマーキュリーを残すのみとなった。

    この年の6月にタイヘイから米国レーベル名の「マーキュリー」に変わって以後、昭和34年ごろまでに33曲ほど映画主題歌を出していたが、人気歌手を東芝に引き抜かれてしまったため、同レーベルは昭和35年以降事実上消滅してしまっている。

    他に連続ものの「戦前の歌で綴る東海道五十三次」は、(小田原宿)篇を纏めてみた。

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    ★「洋画:地上最大のショウ」(監督;セシル・B・デミル)パラマウント 1952年製作 テクニカラー

    主題歌「可愛いルアナ娘・新倉美子」(榛名静男詩・外来曲) 28/8月
    (歌詞不詳)

    B面曲「歌えば楽し・新倉美子」(榛名静男詩・外来曲)   同上
    (歌詞不詳)

    新国劇の名俳優、辰巳柳太郎の娘の「新倉美子」は、日本初の美人ジャズ・シンガーとして登場したが、美空、江利、雪村の三人娘ほどは騒がれなかったようだ。

    映画のほうは、全米の各地を移動して興行をする、華やかな大サーカス団のお話になってる。、 

    「このサーカスで、空中ブランコの花形として人気の高いホリー(ベテイ・ハットン)は、新入りだが空中ブランコの名人といわれるセバスティアン(コーネル・ワイルド)に対抗心を燃やしていた。こうした二人の成り行きを、心配さうに見守る団長・ブラッド(チャールス・ヘストン)と、道化役・ピエロのバトンズ(ジェームス・スチュワード)がいた・・・・・・・」

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    ☆「新東宝:アチャコ青春手帳 第四話」(監督;井上梅次) 28/6月封切 現代喜劇 

    主題歌「男心は秋の空・新倉美子」(牧 喜代司詩・大森盛太郎曲) 28/9月
    ○歌いだし「私の気も知らないけれど 貴方は憎めない人・・・・・・」

    「アチャコ青春手帳」は、前年の8月に「第一話・東京篇」ではじまり、その後同年11月に「第二話・大阪篇」、さらに翌28年3月に「第三話・まごころ先生の巻」をへて、今回の「第四話・めでたく結婚の巻」で完結している。       

    いずれも原作は「長沖 一」になっている。

    「この映画では、人のいいタクシー運転手(花菱アチャコ)が、密輸団の事件に巻き込まれるという物語なのだが、やがて彼に思いを寄せている食堂の娘・孝子(南 寿美子)と、めでたく結婚のはこびとなる・・・・・」

    なおアチャコの母親役には浪花千栄子がなっていた。

    他に古川ロッパ、トニー谷、益田喜頓、柳家金語楼、相馬千栄子、堺 駿二、らが出ていた。

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    ☆「東映:江戸の花道」(監督;中川信夫) 28/8月封切 時代劇 白黒版

    主題歌「江戸の花道・東海林太郎」(藤田まさと詩・島田逸平曲)  28/9月
    ○歌いだし「誰がつくったお芝居ごとか 幕の合間のにわか雨・・・・・」

    B面曲「涙の牡丹刷毛・青葉笙子」(牧 喜代司詩・大村能章曲)  同上
    ○歌いだし「化粧鏡に浮かんで消える 舞台姿の艶やかさ・・・・」

    東海林太郎」は、この年キングからマーキュリーに転入社している。      
    戦後各社を転々としてきたこの大御所歌手も、マーキュリーに移ってからは昭和33年まで腰を落着けて唄っており、マーキュリーレーベルだけでも46曲ものレコードを出していた。      
    しかし戦前のような目立ったヒット曲は、もう出ることもなかったようだ。

    映画の原作は三村伸太郎で、江戸の下町が舞台になってる。

    「両国の盛り場を本拠とする一座の女座頭、瀬川喜久之助(花柳小菊)をめぐって、界隈の顔役で瓦全寺の生臭坊主の龍運和尚(月形竜之介)や、虚無の浪人鶴木勘十郎(大友柳太朗)、豪商但馬屋徳右衛門(香川良介)が張り合っていた。その一座にある日のこと、芳之助(守田勘弥)が飛び込んできた・・・・・・」。

    他に原 健策、田中春男、嵯峨三智子、、山口 勇、杉 狂児、沢村国太郎、らが出ていた。

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    ☆「松竹;若君逆襲す」(監督; 酒井辰雄) 28/11月封切 時代捕物劇 白黒版

    主題歌「白面公子筑波太郎の唄・東海林太郎」(村上元三詩・飯田景応曲) 28/11月
    ○歌いだし「松は豊かなお江戸の春を すねて細身の落し差し・・・・・」

    B面曲「ウキウキ娘・野村雪子」(詩曲とも同上)           同上
    ○歌いだし「サアサアサア出てみやしゃんせ かかさん松ちゃんお留どん・・・・・」

    「村上元三」原作であるNHK連続放送劇「白面公子・筑波太郎」の第二編を映画化したもので、第一編は前年に出た☆「松竹 若君罷り通る」になっている。

    主役の「若様」こと松平長七郎役には「罷り通る」も今回の「逆襲す」も、共に北上彌太郎が演じていた。

    前回の「罷り通る」では家光の後継ぎをめぐる暗躍に活躍した長七郎だったが、今回の「逆襲す」では、徳川家の転覆を図る豊臣家残党の陰謀を阻止するために、めざましい働きぶりを見せる。

    他に、宮城千賀子、川田晴久、高千穂ひづる、伴 淳三郎らが出ていた。

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    これで昭和28年の映画主題歌は、全て終わりとなった。

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    2.「戦前の歌で綴る東海道五十三次」  (小田原宿)

    大久保氏十一万石の城下町であった「小田原」は、昔から「蒲鉾」と「ういろう」それに「梅干」が名物として知られていた。

    また江戸を発ってから、今までこのブログ内で通り過ぎてきた東海道の宿場のなかでは、もっとも大きくて栄えていた宿場でもあった。

    そんな小田原で、昭和初期の頃に生まれた土地の新民謡を、見てみることにしよう。

    小田原小唄・藤田艶子、繁香」(福田正夫詩・福田蘭童曲)パーロホン S5/12月
    ♪「寄って見やれ 帰られまいぞ・・・・・」

    小田原節・四家文子」(福田正夫詩・福田蘭童曲)ポリドール S5/3月

    小田原音頭・小田原検番芸妓連」(福田正夫詩・大村能章曲)パーロホン S8/5月
    ♪「アー相模来てみりゃ海さへ燃える 浜の御幸にゃ砂の文字・・・・・・」

    次にレコード化は判らないが、郷土民謡辞典にはこんな新民謡が載っていた。

    小田原小唄・-」(福田正夫詩・杵屋栄子曲)-   昭和10年以前
    ♪「春は桜のお濠端 そよろそよろの風もよく 花も散りきて盃に・・・・・」

    以上ここに載せた昭和戦前期の小田原新民謡のすべてが、「福田正夫」の作詞であることに、まず驚かされる。

    「福田正夫」は、明治26年に小田原生まて同地で育った詩人なのだが、決して小田原近辺のローカル的な新民謡作詞家だけではなくて、全国的にも詩人として評価の高かった方だ。

    戦時中よく唄われた、国民歌謡の「愛国の花」(古関裕而曲)も同氏が作詞している。 
    ♪「ましろき富士の気高かさを こころの強い楯として・・・・・」

    なお小田原市内だけでなく、その近在に残されている戦前の新民謡を見ても、「足柄小唄」「真鶴音頭」など「福田正夫」の作詞した曲が残っている。

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    小田原近在の古い新民謡を探す

    まず小田原駅から出ている私鉄・大雄山線に乗って、天狗で有名な「道了尊・最乗寺」のある方向に行くと、昭和の初めにこんなレコードが出来ていた。

    道了小唄・山の家お光」(-詩・-曲)パーロホン  S5/12月

    道了小唄・香川花舟」(-詩・-曲)ビクター    S5年
    道了甚句・藤本二三吉」(-詩・-曲)ビクター   S5年

    いずれも作詩作曲それに歌詞が不明であるため、若しかしたら一部は新民謡ではなくて、伝来民謡も含まれている可能性もある。

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    さて今度は小田原から相模湾にそって、湯河原温泉あたりまで足を伸ばしてみよう。

    まず風光明媚な真鶴岬にも、昭和初期に出来た新民謡かあった。

    真鶴音頭・-」(福田正夫詩・大村能章曲)-      昭和8年頃
    ♪「ハア伊豆と相模を翼に抱いて 舞もめでた ヨイトコラサ・・・・・・」

    その先には、藤木川のせせらぎに沿って温泉宿か並んでいる、「湯河原温泉」がある。

    湯河原節・音丸、伊藤久男」(葛原しげる詩・小松耕輔曲)コロムビア  S10/7月

    湯河原小唄・分山田和香」(時雨音羽詩・佐々紅華曲)コロムビア     同上
    ♪「相模灘飛ぶ白帆でさえも 恋し湯河原夢にみる 藤木川やら逢う瀬の瀬やら・・・・・」

    藤木小唄・-」(長田幹彦詩・松平信博曲)-  昭和8年頃
    ♪「桜山からおぼろに暮れて 谷じゃほのぼの湯の香が煙る・・・・・」

    湯河原の藤木川を唄ったこの新民謡は、S8/3/5日の「報知新聞」に歌詞が掲載されていた。

    さてこの藤木川を渡ればすぐそこは静岡県であり、戦前の頃は繁栄を極めた「熱海温泉」ということになる。    
    熱海温泉」の古い新民謡については、このブログの昨年(2008年)2月8日に投稿した「昭和23年(その4)」の中に特集して載せてある。

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    この辺で再び「小田原宿」に戻り、今宵は宿で一夜をゆっくりと過ごすことにしたい。       

    次回「箱根宿」篇では、いよいよ街道随一の難関である箱根越えになるので、たかが「街道歌の旅」ではあるけれど、山越えの途中で息切れどころか歌切れのため、ギブアップすることのないように、頑張ってみたいと思っている。

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    3. まとめ

    本題の「映画主題歌」も、今回でやっと昭和28年分が終わりとなった。

    「昭和28年(その1)」に着手したのが今年の6月26日だから、真夏を挟んでざっと4月あまりもかかったことになる。

    今年の夏は酷暑の日が少なかったことが、私のような老いの身には救いだったが、9月に入って「映画主題歌」と「東海道歌の旅」と二つの連続ものを抱えるようになったので、最近はパソコンと対面する時間が、以前より少し増えてきたようだ。

    思えば会社をリタイアしてから、早や24年もの歳月がたってしまった。   
    退職後の趣味としてはじめた国会図書館通いも、60歳から75歳ころまで15年間ぐらい続いたが、その間に古い新聞の縮刷版、マイクロフイルムから集めた歌の資料を、帰宅後にデーターベースにしてパソコンに入力してきた。
      
    今では足腰も弱り、電車に乗っての外出もすっかり億劫になってしまったので、もっぱら過去に貯めたデーターファイルという資産を売り食いするような格好で、このブログを纏めている。

    このブログを毎回投稿することが、老いた私にとって「生きがい」だとまでは思っていないが、少なくとも・・・・本来なら毎日もて余しているはずの「暇な時間」を、潰してくれるだけでも有難いと思っている。

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    さて気を引き締めて、次回から映画主題歌は「昭和29年」篇に入ることにしたい。
    おそらくこの「昭和29年」も長丁場になって、年を越して来年の早春の頃まで続くことになることだろう。
    昭和29年の主題歌トップバッターは、今まで通りにコロムビアから始めることにしたい。

    なお「戦前の歌で綴る東海道五十三次」の次回は「箱根宿」篇を予定している。
                            (つづく)

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