謙介、欲しいものは大してないのですが、
西行さんとかこの山頭火さんのように
今の生活のすべてを捨てられるか、といえば、
むずかしい。
煩悩のかたまりみたいな謙介は今しばらく、
この娑婆でご厄介になるのが、相当の
ところのようです。(笑)
さて。
一草庵を出てまた車の置き場所に戻ります。
そうして今度は、東に向かって走ります。
で、着いたのがここです。

宝厳寺というお寺です。
ここは、かの時宗を開基した一遍上人の生まれた寺です。
もちろん、ここは時宗のお寺。
この境内には、子規の俳句の石碑があります。

色里や 十歩者(変体仮名です。読みは「は」)なれて 秋の風 とあります。
実はこのお寺、漱石の「坊ちゃん」にそれらしい場所として
出てきます。
北へ登って町の間をはずれに出ると、
左に大きな門があって、門の突きあた
りがお寺で、左右が妓楼である。山門
の中に遊廓があるなんて前代未聞の
現象だ。
このお寺、坂を登りつめたところにありまして、
その坂の両側は、昔は梅が枝町と呼ばれて
遊郭のあった場所でした。
売春防止法ができた後も、ネオン坂、と呼ばれて
それらしい店が並んでいた、と聞きます。
漱石の書いた前代未聞の現象の現状がこれです。

そもそもバー・シスター、っていう店の名が怪しげですよね。(笑)

こうした店はさすがに売春防止法以降は、表立って営業することは
なくなりはしたようですが、表向き飲み屋さんで、お酒を飲みつつ
好みの人を見つけて、ほにゃほにゃと話をし、交渉成立、と
なると、店の奥の別室で、、、というふうなことにもなっていた、
と聞きます。

つい4、5年前まで実はここに大きな昔の妓楼で朝日楼という建物が
あったんです。それで一時期保存運動も盛り上がりかけたのですが、
何せ、遊郭の建物ですからねぇ。「公然と売春をやっていた建物を市が
文化財として保存するのかぁぁぁぁまじめにやれぇぇぇぇぇ。」という女性団体からの
抗議で、その保存運動は一気に立ち消えになってしまったわけです。
だけど、写真手前の「温泉マッサージセンター」っていうのも、こうした
場所柄を考えると、普通のあんまとか、マッサージではなくて、、
変な方面を想像してしまうんですが。(笑)
そうした遊郭の突き当たりに、この宝巌寺があったのです。
それで子規の句の「色里」の意味がおわかりいただけるか、と思います。
宝巌寺を出て、次に行ったのは、子規記念博物館でした。
ここは今、こんなふうな展示をしていました。
どーん。

で、でかい。
実は、ここも今回は山頭火の特集展示をしていました。
昨日引用した「分け入っても分け入っても青い山」の実物の掛け軸、
とか、山頭火句作のノート、とか手紙とかが展示されているというので
見にいったのでした。
山頭火、本当にきれいな字を書きます。
松山の南にある神社がありまして、そこの宮司さんが
山頭火に傾倒していて、山頭火の書の鑑定をするまでに
なっている方なのですが、その方に山頭火の書の
真贋はどうやって見るのですか、と伺ったら、
単に線だけではなくて、山頭火の書にはすべてのものに
感謝する気持ちがあらわれているのですよ、というお答えでした。
俺はまだ山頭火の書は数点しかみたことがないので
あれこれとは決していえませんが、
墨の潤渇が生かされていて、さらに筆致が
すばらしい。大胆な線と、ゆっくりと落ち着いて筆を走らせた
ところと、そうした線の表情の違いもおもしろいです。
それと大胆にひかれた線は、邪心がなくて、
一気にひいてありますから、線がすがすがしく感じられます。
こないだの天地人が作為的な線だらけで、
見ていると嫌になってしまうのに比べると、
本当に見ていて見飽きない線で、いいなぁ、と思います。
そうした山頭火の書も何点も展示されていて、
山頭火のお好きな方は、おおっ! って感動すること間違いのない
いい展示がされていたように思います。
ここで、ゆったりとした時間を過ごすことができたので、
今から仕上げです。
心の次はからだのほうもゆったりと、
ということで、温泉です。(笑)
写真は謙介のいつも持ってる入浴セット。(笑)

実は謙介の家の周囲、2キロ以内に4軒ほどスーパー銭湯みたいな
施設があります。ですが全部温泉です。
でも地元にあると、いつでも行ける、とか思うし、わざわざ
車を出して、っていうのも面倒だから、家のシャワーとか
風呂で済ませてしまいます。
たまに友達が遊びに来るとか、親戚が来た、
というときには、観光客のような顔をして入りに行くんですけどね。
だから、こういう入浴セット、っていうのも
持ってるわけなんです。
それから謙介の職場では、年間8枚、全国の提携したいろいろな
施設で使えるクーポン券をくれるんですが、俺の街の場合は
ここの温泉の神の湯の2階席(松・竹・梅で言えば竹の下。)
が使えるようになっています。
温泉の駐車場に車をとめます。
駐車券を温泉に持っていって、入浴証明をもらうと
1時間の駐車料金は無料になります。
券の販売口でそのクーポンを出して、別の券に
引き換えてもらいます。それを2階の席に持っていくと
オッケーということです。
昼近かったので、人も少なくてゆったりと入れました。
(地元のじいちゃんばっかりで景色はよくなかったですけど。)
神の湯の2階席は、浴衣がつきます。それからお風呂から
出て、休憩室に戻ってきたらお茶とお煎餅が出ます。

え? 団子は出ないのか?
団子はオプションの別料金です。
別料金と言えば、フルーツ牛乳とかコーヒー牛乳もあります。(笑)
係りのおばちゃん、確か去年ヒシさんと来たときには
絣地のなんかユニフォームみたいな服を着ていたのですが、
今日は、おみかん色のフリースでした。
お風呂から出て、ちょっと休憩して温泉を出たら、ちょうどお昼。
家に戻ってご飯を食べて後はゆっくりしました。
久しぶりにのんびりとした半日でした。