三平の酒飲み日記(裏版)2009-11-14 18:24:53
上原先生を囲む会 その3
2001.11.23 名渓会館にて
冗談じゃ無い! いい酒だから燗をしてと言っているんです。
えー、図面も書きますが、だいたい物の味っていうのは、私が話すより栄養学の先生の方が詳しいと思いますが、酒の味の中で甘味と旨味だけは体温と一番近いときが一番(味覚として感じる度合いが)多いんです。
だいたい甘味、旨味が5度と仮定しますと、(温度が)0度ぐらいの時が何ぼかというと、これが1以下ですな。
ですから燗をしますと、非常に旨くなって甘くなるんです。
それ(温度)がまた上がりますと、逆にまた(度合いが)下がるんです、体温ぐらいのところを境にして。
こんな図面になるんですな。
従ってご承知と思いますが、これまぁ食べ物なんですけど、ライスカレーは熱いうちに食べるとあんまり辛くない。ところがちょっと冷めると辛くなるんですな。
甘味を感じんようになるから、いや感じるんだけど(度合いが)低いからです。
それから例えばアイスクリームは冷えとるから、甘いんだけど甘味がガタッと何分の一かに下がっておるから食べれるんです。
これが溶けかけてから食べたら、ビックリしますな、甘すぎて。
それから、ひどいのになるとコーヒーもそうですね。熱いうちにはいくら砂糖を入れても飲めるんですけど、こいつが冷めたらベタ甘くなってきて飲めなくなる。
じゃあ他の味はどうか?他の味が意外に変わらんのでおかしいんです。
例えば酸っぱさ、塩分、塩辛なんかですが、こんなのはいくらか変わるんですが、あまりたいして変わらんです。
渋味。渋味もあまり変わらないですが、温度を上げると甘味や旨味が増えるから、渋味も判らなくなる、ということなんです。
これは原則ですから、おそらく料理の講習会や料理の関係の方は皆知っとられると思いますけど、これ特に酒では変化が激しいです。
酒はですね、一番いい温度で飲むと一番いいんですけど、まぁ変な話ですけど。
純米酒はどの位かといいますと、私のみたところではぬる燗、40度ですね、ぬる燗は40度です。
それから上燗は45度です。
だいたいこの範囲にありますね、40度から45度の間です。
40度に温度が上がったときに飲めばちょうどいい酒と、45度にして1、2度下がったときに飲むのが一番いい酒とを見分けるのが、利き上手というか、そういうのの一番の真価ですな。
盲滅法に「いい酒を冷蔵庫に放り込んでおけ。」という人がたくさんいますから、困るんですな。 それで純米酒を燗してくれって言うと「もったいない。燗するなら雑なんがもっと何ぼでもある。」と言う。
冗談じゃない! いい酒だから私ゃあ燗してと言ってるんです。
それをですな、みんな今の・・どうしてあんなに広まったんですか?
「いい酒をめちゃくちゃに冷やせ。」というのは。
全然旨くないんですね、冷やして飲みますから。
そりゃあねぇ、冷やして飲むっていうのは、ビールなんですわ。 但し5度以下になりますと、発泡酒もビールも味の判別がつきません。私も試飲してみましたが、判らんです。5度以下は。
10度になると発泡酒もビールも、明らかに違います。
酒はですな、10度以下ではなかなか本当の味になりません。
まさか体温まで上げて貯蔵しとくっていうのは、これは劣化しますからそうはいきませんが。
まぁ、味っていうのはそこらあたりだと思います。