書名も、カバーデザインも、「ともかく“ここ”を見せたい・見てほしい」というポイントをひとつに絞ったほうがいいように思うんだ。
なのに、つい、ここも見せたい、こっちも見てほしい、これも重要だから強調したい... と欲張って、強調だらけでけっきょくどこも強調されてない書名やカバーができあがっちゃう。
それじゃね、お客様の印象に残るはずがないんだよ。
ともかく「ここ」にお客様の視線を集中させる。
ともかく「ここ」さえ見てもらえれば、あとは見落とされてもかまわない。
少なくともスタート時点ではそのくらいの気持ちで、書名もカバーデザインも考えたほうがいいんだよね、きっと。
それでも、どうしても「ここ」に絞れないなら。
「こっち」と「そっち」と「あっち」におなじ程度の重点があるなら。
それはきっと、企画自体の失敗なんだよ。
======================================================================
『ディズニーランドのここがすごいよ!
〜高収益を生み出す理由は運営の仕組みにあった!〜』
「第1章 運営の仕組み ここがすごいよ」からの立ち読み版を公開してます!!
最後の瞬間まで“できたて”ポップコーンが食べられる (2)
ディズニーランドが屋外店舗での適温管理にこだわるのは、屋内飲食店舗がほとんどの時間、混雑状態だからという事情もあります。そのため、お客様が飲食するときにワゴンなどの屋外店舗を利用する機会が多くなるからです。
このとき、ワゴン販売の食べ物が美味しくないと、「ワゴンでこれだったら、お店に入ってもこんなもんだろうな」と思われてしまう可能性があります。そうなると、そのあとにあったかもしれない「屋内店舗での飲食の機会」を失ってしまいます。それを避けるためにも、徹底して“できたて”(=おいしい)にこだわっているのでしょう。
さらにディズニーランドがすごいのは、こうした“できたて”を閉園間際まで続けていることです。ゲートの近くのポップコーンワゴンなどは、閉園放送が流れてからも煙が上がっていますし、お客様も並んでいます。作り置きもせず、クローズ時間になっても人が並んでいれば躊躇なく、どんどん新しいものをつくっています。
実は、ワゴンなどの屋外店舗で提供される商品は、飲食商品のなかでも利益率がきわめて高い商品が多いのです。設備的な制限などもあり、商品自体がもともと、複雑な加工をしているものがほとんどないうえに、原材料が安価なものが多いからです。
たとえばテーブルサービスの屋内店舗での飲食には、お皿やグラスの提供や回収が必要ですし、お皿の上の食べ物にも特製ソースがかかっていたりするわけで、手間暇がかかる分、コストもかかってしまいます。その点ワゴンの商品は、素材も加工もシンプルなものが多いので、おなじ金額分が売れた場合、利益として残るお金が全然違います。
逆にいえば、ワゴン商品はコストがそれほどかからないので、売り切れずに余った分を廃棄しても、食材の原価ロスは小さいのです。
こう考えれば、最終的に多少の廃棄が出ても、ギリギリまで“できたて”をゲストに提供して少しでも売り損じを減らしたほうが、経営的に良い結果になります。
客単価だけを見れば屋内飲食のほうが高いので、そちらを重視するレジャー施設が多いのですが、ディズニーランドは“利益率”の高い商品を最後まで徹底的に売り抜く姿勢を持っています。それがワゴン販売の重視となり、あれだけの売上へとつながるのです。
『ディズニーランドのここがすごいよ!』(永野まさる・こう書房)より