11月5日(木) 18:30〜21:30(休憩15分) 新国立劇場
ヘンリー六世 第一部 百年戦争
作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:小田島雄志
演出:鵜山仁
10列から客席がはじまる。1階客席と舞台が同じ大きさなんでは、と思うくらい舞台は広く感じる。
エドワード五世の死から物語は始まる。ここで、グロスター公(中嶋しゅう)とウィンチェスター司教(勝部演之)は、激しく対立。その間に、フランス軍には、天啓を受けたという乙女ジャンヌ(ソニン)が現れ、イングランドのトールボット卿(木場勝己)は苦戦。
フランス軍は、シャルル皇太子(木下浩之)をはじめとしてどこか軽くて陽気だ。トールボット目線で観ているので、ジャンヌは、かなり憎らしい。演じるソニンは、かなりがんばっている。渋い声の方々が多い中で、高い若い声が新鮮。
ロンドン、テンプル法学院の庭園で、リチャード・プランタジネット(渡辺徹)とサマセット公(水野龍司)が争う。ヨーク公に賛成のものは白い薔薇をとり、サマセット公に賛成のものは赤い薔薇をとる。それ以降、主な貴族達は、赤薔薇、白薔薇を衣服に身につけ登場するので、わかりやすい。ちなみに、ここの白薔薇、赤薔薇の枝は、その後池の中に置かれる。池は本当の水だが、薔薇も本当の花なのだろうか。
リチャードは叔父のエドモンド・モーティマー(鈴木瑞穂)に会い、自らの血統は、王になるにふさわしいものだ、と思い、野心を燃やし始める。その後、ウォリック伯(上杉祥三)の仲介で、リチャードの復権が認められ、ヘンリー六世(浦井健治)臨席の場でヨーク公に叙される。
ウォリック伯、一癖もふた癖もありそうな感じ。ヨーク公だって、やったぜ復権したぜ、なんて思うわけなく、またそんなヨークを苦々しくみる赤薔薇の人々。ドロドロしまくりの空気の中、ヘンリーは、ぼや〜んと存在している。
そういう野心に満ち溢れた貴族達の犠牲になってしまったのが、トールボット卿。騎士ウィリアム・ルーシー(浅野雅博)が、ヨーク公、サマセット公双方にトールボットへの援軍を頼むが、双方出さず、騎士は嘆く。騎士よ、その通りだぞ、と妙に肩入れしていると、トールボット父子の泣ける場面が続く。勇猛に戦うトールボット。死んでしまった息子の身体を抱きかかえ、亡くなっていくトールボット。うるっと涙腺がゆるむ。
ジャンヌは火刑に処され、両国の間に和議が結ばれた。捕虜となったマーガレット(中嶋朋子)を見たサフォーク伯(村井国夫)は、その美しさに釘付け。何やらいろいろと考え、ぶつぶつ独り言をいうのだが、この場面が妙に笑える。ヘンリー六世の妃にしようと企み、王と妃を自分の思うままに操ろう、とか言っている割には、マーガレットを手に入れたいぞ〜、というスケベ心がちらり。
ヘンリー六世は、サフォーク伯の情熱的な勧めもあって、マーガレットとの結婚を望む。困惑気味のグロスター公ら。こうして、第一部は終わる。
最初は、登場人物がまぜこぜになるのでは、と心配したのだが、そんなことはなく、かなりおもしろく観ることができた。とはいえ、お尻が痛かった。