
テレビで、カイガラムシという存在を知った。
母親いわくうちの庭にもたまにいるらしく、本当に貝殻のような形をしていて、主に木の枝を生活の拠点とするらしい。
ただ「生活」といってもその暮らしは生活と呼ぶにはあまりに程遠いもので、脚が極端に退化しているらしく活動することはまずなく、我々がよく見ていてもぴくりともしないという。
貝殻の中にどうやら虫の本体がいるらしいので貝殻の中では多少動作しているようなのだが、要するに貝殻の中で生活し、誰にも気付かれることなく貝殻の中で死んでいくのだ。
彼らがどうやって木の枝まで登ったのかとかそういう疑問はまあ置いといて、
なんて寂しい一生だろう。虫だから感情こそないにしても、自分の家の庭という手の届く場所でそういう寂しい一生が始まって終わったのだと考えるとなんだかいたたまれなくなる。
人間で言えば家に引きこもって外の世界を見ないままベッドの上で静かに死ぬようなもんだ。
自分はカイガラムシではない。そう思う。
もっと外の世界を知りたいし、もっといろんな人に自分を見て欲しい。
貝殻をぶち破れるかどうかに他人は関係ない。それは自分次第でしかない。
だから
あったかい殻の中でぬくぬくしてるのもいいけど、そろそろこっちにおいでよ。
と、
Anything Possibleが言う。
それに答える。
だから答えろ。