はだかでいきる詩2009-11-15 01:49:04
あの、ぴかぴかの
私は拾うことがとても好きで
遊びにでかけても
仕事で出かけても
川に行き 海に行き 山に行き
貝殻や 石ころを 広い集めていた
貝殻や 石ころは
濡らしてみると その色合いが変わり
良く見ると 時間の層や
混ざり合う成分が
とても美しく 浮き上がる
ある日私は仕事で
黒曜石の採掘される地へ出かけた
その地の黒曜石はこの国では珍しく
透過して美しく紫色に輝くものだった
このオープン前の博物館に展示される石達は
みなこの地から発掘されたもの
時間を見つけては
私は意気揚々とし
その館の裏山にでかけ
まだ眠っているかもしれぬ
美しい黒曜石を探す
展示品と同じくらいの
美しい石を探すことに
私は仕事以上に
熱中していた
数日は小さな石を見つけたが
望むようなものは採れない
しかし 帰るちょうど2日前
両手に収まるほどの大きさの
石を見つけた
山の粘土質の 泥まみれたその塊は
洗ってみなければ黒曜石かわからぬ
だが私は 確信した
きっとこれは
あの 石に違いない
胸の高鳴りを隠しながら
私はそれをこっそりもちかえり
ホテルの風呂場で洗った
「やっぱりだ 見つけた 見つけたぞ」
これは紛れもない黒曜石だ
私はハンマーを手に持ち
その真黒な黒曜石を少しだけ砕く
砕けたその石はまぎれもなく
黒曜石
石の内側は
紫色がとても美しく透過していた
美しいその色は
まるでぴかぴか光る
紫の滴のようだった
翌朝私は博物館の職員に
その石を手渡した
少し心残りはあったが
学芸員は思わぬ置き土産に
喜んでいた
手元にはあの石はなくなったが
あの時の胸の高鳴りと
あの、ぴかぴかの
滴の様な美しい紫色は
私の心に
今も ずっと
ぴかぴか
ひかっている